歳の離れた友人が、色々とわたしの知らないことを教えてくれる。
正確には、聞いていないのに勝手に楽しそうに話しをしてくれるのだけれど。
彼女には別の顔があり、SMクラブで女王様をしているらしい。
「SとMってどっちの女の子がモテるか、わかります?」
彼女はSMの話をするときはいつもウキウキしている。
「うーむ、Mな方が女の子は可愛いんじゃない?」
わたしは適当に答えた。
「違うんですよ!断然Sです!」
「へぇ」
気のない返事をしていたが、話が進むにつれて段々と興味がわいてきた。
なぜなら、そこに世の法則めいたものがあるように思えたからだ。
世の中にはSになれる女の子は絶対数が少ない。まして「愛あるムチ」が振るえる人はもっと少ない。つまり希少価値が高いということで、取り合いになるらしい。
これはブランディングに使えるのではないか!
目次
ブランディングのコツ:希少価値をとれ
世の中には、親切で優しい人はゴマンといる。
その方が良い人だと言われて自己愛が満たされるし、周囲と摩擦が起きず楽ができる。
とくに対人援助職のカウンセラーやコーチの人は、優しさを前面に出している人がほとんどだ。
そんな中で、愛のムチを振る女王として君臨できたら、当然目立つし、一人勝ちできる。
ただの暴言を放つ人は論外だが、愛が込められた厳しい言葉を伝えるのは難易度が高い。
耳障りのよい言葉を並べて、気持ちをなだめるのではなく、厳しい言葉の中にも愛が感じられるというのは小手先の技ではない。その人となりがどうしでも現れてくるから、キャラをつくって希少価値を出そうとしても無駄だ。
ブランディングとは、内在している価値のいくつかのうちの一面を表に出すことなのだ。
あなたの業界での希少価値とは?
あなたのいる業界は、どんな人たちがいるだろうか?
マッチョな業界なら、マッチョさで競うのではなくプラスアルファの頭脳派が重宝されるだろうし、頭脳集団であれば、IQ以外の面での優れた要素が、その業界での価値となるだろう。
1番目の要素ではなく、2番目の要素がどれだけ上手にできるかで、ポジションは取れていき、その難易度が高いほど希少価値は高い。
いわゆる掛け算の法則だ。1/10 x 1/10 = 1/100 :100人に1人の価値を出すために10人に1人の価値を2種掛け合わせるとよい。
ブランディングのためにキャラを作ると失敗する
いくら目立つからといって、業界で奇抜なだけのポジションをとるだけでは意味がない。
嘘を飾り立てるのはもってのほかだ。メッキはいつか剥がれ落ちる。
少し前にはキラキラ起業女子がいたが、最近は見なくなった。
偽物の自分を売っていくのは、疲れるので継続できないのもあるし、人からの信用をなくすことになる。
ブランディングとは、雰囲気や見た目を整えることではなく、本来は中身の掘り起こしであり、経験や実績の棚卸しでもあるのだ。
すでに持っているものに価値を見出し、スポットを当てるような行為がブランディングの本質なのだ。