理論的な人は、ながったらしいストーリーを読むのではなく、さっさと結論とその理由を知りたいかもしれない。
けれど、もともと人が興味をもっていないものに説明をしても聞く耳を持ってもらえないことが多い。
そんなときには、ストーリーが力を発揮する。
興味をもってもらい、ストーリーに引き込み、共感をもたらし、その結果として行動してもらえる可能性が高い。
もし、あなたが価格競争に困っている経営者の方なら、ぜひこのストリーを読んでみてほしい。
世間いっぱんになされている競争の虚しさがわかるはずだ。
時間のない人のために要約してみた。
丘の上にある小さな料理店のはなし
どこの国の話かわからないが、丘の上の貧しい青年がお金を貯めて、小さなレストランを開いた。
メニューも青年の大好きな一皿で、母の思い出の味だ。
材料にも拘っていて、食べてくれるお客様への思いも籠もっている。
そんなある日、街の中に大きなレストランができた。
レストランにはたくさんのメニューがあり、内装も豪華で街中のアクセスの良い場所にある。
資本のある企業がつくった魅力的なレストランは、たちまち街の話題のスポットとなり、丘の上のレストランの客足は遠のいた。
そんな彼に助け舟を出す人物が現れたが、実は彼は競争相手の差金で騙すつもりで近寄ってきたコンサルタントだった。
コンサルタントは、小さなレストランが大手に勝つための施策を次から次へ繰り出してくる。
珍しい材料を高値で仕入れて新メニューを投入させ、価格を利益ぎりぎりまで下げて大々的に広告を出させた。
もともと小さなお店を細々と続けていた店主は、借金をしてなんとか生存競争に勝ち残ろうとしたのだが、結局は大きな負債を抱えることに。
いくら騙されたと嘆こうが、あとの祭りである。
彼はお金だけでなく、大切なものを失ってしまったのだ。
母の思い出の味、人が喜ぶ笑顔、体に良いものを提供しているという誇りが、儲けという目の前にぶら下げられた人参に取って替わられた。
何もなくなってしまったところで、賢者が現れ彼に助言をする。
「あなたの弱みを裏返しにしたところが強みなんだよ」
丘の上にあり不便だという地理的な弱みが、星空を眺めるレストランに変わり、彼は本来の小さなお店の幸せな店主にもどることができた。
彼の理想と現実を両立したのは、弱みを裏返して作り上げたストーリーだったのだ。
あなたの弱みはなんですか?
もしあなたが、競争相手と熾烈な価格競争をしているのなら、いまいちど思い出してもらいたい。
あなたがその事業を通じて実現したいことは何なのか。
あなた自身は人生に何を求めているのか。
そしてあなたの弱みは何で、それを有効だと思ってくれる人や場所はどこなのか。
そうすれば、あなたも理想を叶えていける。
参照
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